わが町の秩父札所34ヵ所巡り

30年ぶりに戻って来たふるさとの魅力探し

寺宝も見られる!秩父札所14番 長岳山今宮坊(ちょうがくさんいまみやぼう)

かつて秩父の修験寺として栄えた今宮坊

秩父札所14番 今宮坊

札所14番は秩父市中町、旧市街の中心に位置するお寺です。やはり町中なので、コンパクトにまとまっています。私はこの中町で生まれました。家は長屋で裏が今宮神社。井戸もありました。今宮神社は遊び場で、児童館とかあって昔は今のように神社らしい体裁ではありませんでした。

かつて、14番は約100mほど離れたところにある今宮神社とともに秩父修験の中核でありました。その歴史は古く、平安時代に長岳坊が開山、修験道の本山聖護院の直末寺(じきまつじ)として長岳山正覚院金剛寺と呼ばれ、最も栄えた時には40人余の僧を抱えていたそうです。明治の神仏分離により、修験道は廃止され、今宮神社と札所14番(今宮観音堂)に分離しました。

入口にある2本の古木の白檀がお出迎えしてくれる。白檀って、強めの香りだけれど、木のイメージはか細い感じ。それにしても初めて白檀の木を見た。

入口右手に『今宮観音堂』とあります。

観音堂は方3間、流れ向拝付き、銅瓦葺宝形造り。江戸中期の1709年に再建されました。

観音堂の前にある『輪廻塔』。調べてみると、お経をあげたのと同じ効果があるとか、いろいろですが、寺の説明書きによれば、『この車石を廻すと、地獄道や餓鬼道にさまよっている亡者が極楽に生まれ変わり、現世を安楽に暮らせるといわれています』とあります。私はくどくど、お願いし過ぎました....。

14番も観音堂内が見られて感激です!やっぱり、こうでないと! 天井は格子状になっています。

ご本尊は聖観世音菩薩。江戸時代中期制作。聖観世音で半跏趺坐(はんかふざ)像は珍しいようです。 

こちらは寺宝である飛天像。藤原後期に作られたもので、蓮茎をもち、ひざまずいて雲に乗る童子像。県指定文化財です。

飛天とは仏教で諸仏の周囲を飛行遊泳し、礼賛する天人(wikiより)
お寺の説明文によると、

札所十四番今宮坊に安置されている飛天像は、高さ30.3cmの木彫りで、金箔押し蓮華(れんげ)を持ち跪座して雲に乗る姿である。藤原時代後期の作。この飛天像は秩父札所の中でも曲線美に富んだ異色の仏像として早くから注目されていた。

そんな貴重な仏像が遠目からでも拝めるのはうれしいですよね。ちょろっと読んだのですが、ここの先代住職は、江戸時代は人気だった秩父札所もその後は衰退し、それを再び盛り上げるために率先していろいろ努力された方のようです。こんな風に見ることができるのもそういったことと関係があるのでしょうかね。

飛天像のお姿は販売していますが、ご本尊はなし。寺宝のほうが、古さも違うし、ご本尊より貴重ということでしょうか。

観音様の絵のような。

樹齢500年のケヤキ。若々しい緑をつけています。

聖徳太子像。

寺の外側から見るケヤキは初めに受けた若々しい印象はなく、老木の様相をしていました。

ニコニコ地蔵。おばあちゃんの顔みたいです。

勢至菩薩堂。

勢至菩薩。阿彌陀三尊の一つ。 阿彌陀仏の右の脇士で、智慧の光で一切を照らし、衆生をして餓鬼・畜生・地獄の三悪道から救い、臨終には来迎して極楽に引導するという菩薩。(コトバンクより)

手を合わせているか水が入っている水瓶(すいびょう)を持っている姿が一般的だそうです。午年の人々を守る守護本尊だそうです。

ここで面白いのが勢至菩薩堂前の狛犬。普通はお寺にはいないもの。これがかつて神仏習混合だった時代の名残のようです。

享保18年(1734)に奉納された手水舎(ちょうずや)の水盤。水がないのはコロナで?

何かの供養塔ですが、よく読めませんでした。彼岸花が咲いていたので写真撮ったら、そのときだけ、急に左から光が差し込んだ。もう一度撮ってみたけど、そのときは光は入らず。なんかあるのか?

納経所

秩父今宮神社のケヤキ

こちらは、徒歩2分にある今宮神社の樹齢千年といわれるケヤキ

坂野ホルモン@秩父札所14番そば

ちょっとした観光案内。14番そばにある秩父ホルモンの店坂野。坂野は古くからある地元の肉屋さんで、豚肉が美味しいと定評があります。こちらはホルモンの店。秩父でホルモンといえば、豚。友人がここで食べて美味しかったと言っておりました。

 

今宮坊詳細

  • 本 尊 聖観世音菩薩
  • 宗 派    臨済宗南禅寺派
  • 長享番付    第22番 神門寺
  • 住 所    埼玉県秩父市中町25-12
  • ☎    0494-22-4772
  • website     
  • 駐車場    有

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